早さ、品質、柔軟性

横糸は基本ボトム→アップ

  • バドミントンラケットはストリングパターンがほぼ固定、モデルによる大きな変化はありません。フレーム上部が柔らかく打つときにしなり効いてきます。この半分から上は弾いて欲しいので張りが出るようにボトムアップで張り上げます。横糸は縦テンションに対し10%程度上げる標準的な張り方です。
  • ハイブリッド以外は経済性とタイオフによるテンションロス防止、またフレーム外側のストリングがスッキリ収まるように1本張りにしています。(超高テンション等、陥没リスクがある場合は2本張りにする場合あり)
  • 下が太って上が痩せる変形の癖があるため、それを戻すために「10%アップ→トップ数本テンション戻す」の操作をしますが、より原形に戻したい場合は「張人プロフェッショナルパターン」等で上から張り下ろすこともあります。

バドミントンはクランプが命

ゲージ0.65などの細いマルチフィラメントを高テンションで張るのが好まれ、ラケットも年々高テンション対応になっておりますが、これは張る側からは非常に難易度が高いです。

ストリングマシンの強靭な固定式クランプはブッ千切れるまで強く挟むことは可能で、テニス用のストリングでは問題は起きませんが、バドミントンの細ゲージ高テンションでは圧が強すぎるとストリングが痛み早期のガット切れが起こります。

そこで固定式クランプの挟む幅を調整するのですが、これは非常に厄介です。なぜなら挟む幅が固定であるため、ストリングが①クランプ圧で薄く潰れた場合、②高テンションでストリング自体が細った場合、これらに追従せず時間をかけてガットが滑っていく現象が起きるからです。

クランプ弱いとテンションロス、強いと切れる…これには相当悩まされました。高テンションと耐久性は両立しないのだろうか…。(量販店等の張り上がりが緩い不具合は、この「クランプ滑り」によるテンションロスが原因です)

そこでフライングクランプを導入。一見チープな感じはしますが、これは挟む面積が大きいため摩擦力が高く、何よりバネなのでガットが薄く変形しても追従して挟み続けます。これでクランプ滑り、ガット損傷の問題は解決しました。

しかし、フライングクランプの固定に使われる隣り合うガットは伸縮しますので、プルテンションを開放すると少々戻ってしまい、これまたテンションロスが発生します。具体的にRacquetTuneにて計測データを集めたところ、フライングクランプのみでの張り上げは、固定式クランプより1P程度低くなることが判明しました。(注文テンション20P前半において)

最終的にはフライングクランプの戻りを固定式クランプで押さえる手法としました。これにより、テンションロス無く、ガットを傷めずに張ることができるようになりました。(少々時間はかかってしまいますが)

30ポンド超えも張りましたが、クランプによるガット損傷、テンションロスは発生させずに張り上げることができております。「そのガット切れ、クランプによるものではありませんか?」高テンション張りはガット張りDADAにお任せ下さい!

(ただし、ラケットの推奨テンションを上回るガット張りは、下手切れなどで縦横のバランスが崩れた場合などに折れる恐れあり)

グロメット(ハトメ)は無料交換

グロメットは大量に備えております。

高テンションではすぐに悪くなってしまいますので、張る際に無料で交換しております。

 

 

フレーム外側のガット回しもキレイに

何よりも、ラケットを原形に戻すことを最優先し、かつ陥没しない張り回しをします。

外側のストリングが長くなり過ぎないよう、✖(クロス)しないよう、見栄えも考慮します。

 

 

 

 

28ポンド以上や規定オーバーテンションは、ホール角やストリングの重なり部にフレーム陥没リスクがありますので、それらに有利な2本張りで対応します。

2本張りは4時8時方向ストリングが少々長くなり、3重になる部分のありますがラケットには優しいです。

 

 

 

 

タイオフはダブルノット

グロメット穴に沈み込まないように、そして解けないように、十分なダブルノットにしています。またストリングが損傷しやすいのでペンチやプライヤーは使わずに手締めしています。